近年、メジャーな技術となった「ユーロステップ」。
相手ディフェンスを上手くかわすことができるので、特にガードなどの小さい選手は習得したい技術です。
この記事では、ユーロステップと間違えやすいギャロップステップや関係の深いゼロステップ(ギャザーステップ)についてもあわせてご紹介します。
ユーロステップとは?
ユーロステップとは、ボールを持った後の1・2のステップを右→左(または左→右)とジグザグに踏むプレイのことを指します。
近年のバスケットでは非常にメジャーな技術となり、日本でもプロから学生、ミニバスの試合中でも見られるプレイとなりました。
バスケットでは通常1・2歩とただ前進する動きが多いため、ユーロステップをマスターすれば相手のディフェンスを惑わすことができます。
「ユーロ」ステップの名前の由来
ユーロステップの名前の由来は、ユーロ圏のプレイヤーが多用していたステップであることからきています。
バスケ大国、アメリカの圧倒的な身体能力に対抗するために、ヨーロッパの選手達はたびたび革新的なスキルや戦術を生んでいます。
そして、このユーロステップを広めた選手として認知されているのが、アルゼンチン出身のマヌ・ジノビリです。
彼はキャリア初期にイタリアリーグで活躍し、その頃からユーロステップを使っていました。
そんなジノビリの名前を使って「ジノビリステップ」と呼ばれることもあります。
ユーロステップとギャロップステップの違い
ユーロステップと間違われやすいのがギャロップステップです。
ギャロップステップとは、上にジャンプしながら相手をかわすステップですので、ユーロステップとは特性が異なります。
「横移動」のユーロステップ、「ジャンプ」のギャロップステップと覚えるとわかりやすいでしょう(やり方によってはどちらとも取れるプレイもある)。
特にギャロップステップは両足で着地することが多いですが、ユーロステップは片足ずつの着地となります。
ユーロステップとトラベリングの関係
ユーロステップはそのやり方のせいか、トラベリングになりやすい特徴があります。
審判にとっては判断のしにくいステップと言えるでしょう。
また、近年ゼロステップ(アメリカなどではギャザーステップ)と呼ばれる「ボールを保持した瞬間に片足しか地面に着いていない場合は0歩目となる」というルールが加わり、さらに判断が難しくなりました。
しかし、選手にとってはプレイの幅、特にユーロステップの使い方が大きく変わりました。
このように新しい技術やルールは積極的に利用していきましょう。
ユーロステップの上達のコツ
ユーロステップの上達には、ひざの使い方や演技力、状況判断力などが必要になります。
上級者向けのスキルですので、根気強く練習をして自分のものにしましょう。
左右に大きくステップを踏む時はひざを使う
ユーロステップは通常のステップと違い、横に大きくステップを踏む必要があります。
そのため、左右に大きく移動できるようにしっかりと膝を使いましょう。
もし、膝を使わずに足が突っ立ったままで行うと、動きの幅やスピードが出しにくく相手とぶつかりやすくなります。
また、怪我の危険性も増してしまいますので、膝はしっかりと曲げましょう!
一歩目の方向へ行くと見せかける演技力
ユーロステップは行き先(2歩目)が読まれると失敗しやすく、ターンオーバーの危険性が高まります。
そのため、一歩目までに本当にそっちに行くとみせかける演技力が重要です。
ボールを持つ前のステップや目線、顔の向き、ボールの位置など、さまざまな方法でフェイクをかけることができます。
ユーロステップが上手な選手を観察したり、どうやったらリアリティが出るか考えてみるといいトレーニングになります。
空いているスペースを見極める
いくらユーロステップがうまく踏めたとしも、やみくもに使っていればディフェンスにとって脅威にはなりません。
目の前のディフェンスを抜いた後のフリーのスペースを見極める必要があります。
あくまでもユーロステップは得点やパスにつなげるプレイですので、状況を確認せずに多用することは避けましょう。
ユーロステップの練習方法
最後に、ユーロステップの練習方法についてご紹介します。
サイドキック
サイドキックは、主に横方向に片足ジャンプ→片足着地を繰り返す練習です。
膝を曲げてジャンプし、着地も膝を曲げて衝撃を吸収しましょう。
この練習ではユーロステップの基本動作が身に付きます。
通常のサイドキックが安定して連続で行えるようになったら、ボールを持ってやってみましょう。
この時、ボールはなるべく顔より上にスイングしながらやってみてください。
コーンやディフェンスを付けての練習
次はコーンやディフェンスに立ってもらって、目の前に障害がある状態で練習してみましょう。
はじめはコーンで行ってステップの角度や幅を確認し、慣れてきたらディフェンスに立ってもらうといいかもしれません。
ディフェンスもただ立っているだけでなく、ボールを触るようなディフェンスを行うとより実践的です。
まとめ
ユーロ圏の選手が、体格の大きいアメリカ相手に対抗するために編み出したユーロステップ。
ユーロ圏の選手よりも体格の劣る、我々日本人はなおさら身につけておきたい技術です。
本場アメリカのNBAでも武器にする選手が多く、今や上のカテゴリを目指す選手には欠かせない技術となりました。
新たに生まれたゼロステップと組み合わせて、強力なムーブを手に入れましょう!