スティールといえば身体能力が高い選手が得意としているイメージが強いかもしれません。
もちろん、身体能力が高ければスティールは成功しやすいですが、特に高い能力を持っていなくともスティールを得意とする選手はたくさんいます。
そういった選手は練習や知識からスティールのコツを学んでいます。
今回はスティールを成功させるためのやり方や練習方法を皆さんにお伝えします。
スティールとは?
スティールとは、「相手からボールを奪うプレイ」のことを指します。
「パスカット」や「ドリブルカット」とも呼ばれます。
英語では「Steal」と書き、「こっそりと盗む」などの意味を持っています。
スティールは試合の流れを変えられるプレイの一つです。
相手のオフェンスを防ぎ、自チームの速攻(ファストブレイク)やセカンドブレイクなどの得点を決めるチャンスに繋げることができます。
バスケのスティールでファールになる行為って?
スティール時に起きやすいファールとして、「イリーガルユースオブハンズ(ハッキング)」と「プッシング」が挙げられます。
「イリーガルユースオブハンズ」はオフェンスの手や腕を叩いたり抑えたりする反則行為を指します。
「プッシング」は手や身体で、相手を押してしまった時に起こる反則です。
2つの反則とも、相手によってスティールがかわされる時に起こりやすいです。
一方、試合終盤に負けているチームがスティールを上手くできない場合にわざとファールをする戦術もあります。
相手にフリースローを打たせて、時間を止めて攻撃権を得る「ファールゲーム」という戦術です。
バスケのスティールを成功させるやり方・コツ
スティールを成功させるためのコツは、「タイミング」と「予測」です。
基本的には、ボールが誰にもコントロールされていない状況=誰の手にも触れていない時が一番の狙い目です。
そしてそのタイミングがいつやってくるのか、ボールがどのように動いていくのかを予測することができれば、スティールの成功率を格段に上げることができます。
パスを出した瞬間を狙う
スティールを狙うのに最も良いタイミングは「パスを出した瞬間」です。
空中にあるボールはスティールを最もしやすい状況にあります。
なぜならパスの軌道は、誰かが途中で変えない限りは大きく変わることがないからです。
逆に誰かの手の中にあるボールは最も取りにくいです。
スティールを狙うためには、パスを出した瞬間に素早く動き出すと良いでしょう。
間合いを詰めすぎない
パスカットは緩やかな軌道や弱いパスが狙い目です。
そのようなパスを相手に出させるためにはマークマンへの間合いを詰めすぎないようにしましょう。
間合いを詰めすぎると、パッサーはスティールを警戒して真っ直ぐ強いパスを出したり、パスを出さないこともあります。
全体の動きを把握し行動を予測する
スティールをする時は全体の動きを予測することも必要です。
次はどこにパスがくるのか、どんなパスが出るのか、どのように抜いてくるのかなど、予測できる動きは多岐に渡ります。
これは実際に試合の経験を積んだり、動画で試合を観たり、もし自分がオフェンスの場合にどのように動くかを考えてみると精度が上がります。
ボールマンを油断させる
ボールマンから直接スティールするには、相手の油断を誘いましょう。
スティールを狙う気配がなかったり、プレッシャーをかけないフリをするなどディフェンス面でのフェイクを使います。
そして、相手が油断してボールの扱いが甘くなったところに一気にプレッシャーをかけてボールを奪いましょう。
スティールに関係する「ターンオーバー」って?
スティールと密接に関係する用語に「ターンオーバー」があります。
ターンオーバーは「攻撃権の喪失」を意味し、シュートを打てなかった場合を「攻撃権の喪失」=「ターンオーバー」と定義します。
基本的には、ターンオーバーは起きる直前にボールに触れていたプレイヤーに対して記録されます。
スティールとターンオーバーの関係性とは?
スティールとターンオーバーは背中合わせの関係です。
さきほど説明したようにターンオーバーはシュートを打てなかった場合を指すため、スティールとターンオーバーは同時に発生します。
記録上で考えてみると、スティールを行ったチームに対しては1スティールが記録され、スティールをされたチームに1ターンオーバーが記録されます。
ターンオーバーは勝敗に大きく影響する
ターンオーバーの数は敗戦の確率に比例します。
ターンオーバーが多いほど自チームのシュート本数は減り、相手チームの速攻などのイージーシュートのチャンスが増えてしまうからです。
また、ターンオーバーが多い選手はマイナス評価をされやすく、特にガードの選手はターンオーバーの少ない選手が好まれます。
ターンオーバーの基準は?
ここで少しややこしい、「どんな状況の時に誰がターンオーバーになるのか」を説明します。
すべての状況を説明しきれないので、ここではよくある状況を挙げてみます。
「ターンオーバー直前にボールに触れていたプレイヤー」という概念に基づいています。
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・パスやドリブルをカットされる、トラベリングやオフェンスファウルのバイオレーション
→パッサーやドリブラーのターンオーバー
・24秒以内にシュートを打てない、ブロックされて相手ボールに
→シューターや最後にボールを保持していた選手のターンオーバー
・レシーバーがパスを取り損ねてスティールされる
→レシーバーのターンオーバー
・リバウンド争いでチップアウトしたボールが相手ボールに
→チップアウトはボールの所有権が確定していないため、ターンオーバーにはならない
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バスケのスティールの練習方法
ここでは、バスケのスティールの練習方法について書いていきます。
区画内1対1
対ボールマンのスティール練習では実践あるのみです。
ハーフコートやオールコートの片側など範囲を指定して、ドリブラーとディフェンスに分かれて1対1を行います。
ドリブルを取るためには「手からボールが離れた瞬間」を狙います。
ピストルディフェンス練習(ディフェンスポジショニングの確認)→応用編:4対2
パスカットを狙うためのポジショニング練習を行います。
5対5に分かれ、オフェンスはドリブル・シュートをせずにパスを繋ぎます。
ディフェンスは2線3線のポジションを素早く取れるように動きます。
このドリルが上手く出来たら、4(オフェンス)対2(ディフェンス)に分かれます。
オフェンスは片サイドに3人、逆サイドに1人置きます。
パス・ドリブル有りでシュートはゴール下区域内のみ可。
ディフェンスは、ゴール下とオフェンス3人サイドのボールマンに素早くディフェンスします。
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まとめ
最後にもう一度おさらいですが、スティールのコツは「タイミング」と「予測」です。
ボールの動きをしっかりと捉えられれば、スティールの成功確率はグンと上がるでしょう。
実際にスティールが上手い選手は、相手の動きが手に取るように分かっています。
また、「ここだ!」と思った時に素早く動けるような思い切りの良さも大切です。
今回ご紹介したコツや練習を行い、自信を持ってスティールを狙いにいきましょう!