なんといってもスピード感のある展開がバスケットの醍醐味です。
そのスピード感を表すバスケット用語に「トランジション」というものがあります。
たとえば「トランジションを早くしよう!」というように使われますが、トランジションの意味を知っていますか?
今回は「トランジション」の意味や使い方、練習のポイントを紹介していきます。
トランジションとは?
バスケにおけるトランジションとは「攻守の切り替え」を意味し、コンバージョンと呼ばれることもあります。
英語で書くと「Transition」で、意味は“移り変わり”や“変化”となります。
トランジションはチームとして意識しなければならないもので、ゲーム展開の早いバスケットでは0.1、0.2秒のトランジションの差が命取りになることもあります。
バスケットではトランジションの早いチームが有利
バスケットでは「高さ」のあるチームが、基本的には有利なスポーツです。
しかし「高さ」は伸ばしようがないことも多く、特に日本人が劣る部分です。
そんな時は、トランジションを早くして、速攻やセカンドブレークを積極的に狙いましょう。
高さの勝負になる前に勝負を決めてしまうのです。
そしてなにより、日本のバスケットでよく言われる「堅守速攻」と呼ばれる形がこれにあたります。
トランジションを早くするポイント・コツ
トランジションを早くするには、意識すべきポイントがいくつかあります。
まずは意識を高めよ
まずトランジションになによりも必要なのは、「切り替えを早くする!」という意識です。
意識するだけで身体のスタンスや状況判断が変わり、1歩目の早さが変わるはずです。
また、ゲーム終盤の疲れた時には、意識の差がより顕著に表れるでしょう。
バスケットというスポーツに詳しくなる
トランジションを早くするには、プレイを予測する能力も必要です。
なぜなら、次に起こることがわかれば、次の動き出しの判断が早くなるからです。
「次に何が起こるのか」を予測するには、バスケットというスポーツの性質を理解したり(バスケIQ)、経験を積むほかありません。
多くのバスケの試合をみたり、イメージトレーニングをしてみたり、練習以外にも友達や知り合いとピックアップゲームに参加するなど、バスケに関わる時間を多くしましょう。
ボールラインを意識する
ボールラインとは、コートを横に見てボールのある位置の直線上を指します。
オフェンスからディフェンスへのトランジションでまず意識するべきことは、このボールラインまで戻ることです。
自分のマークマンがボールラインより後ろにいても、まずボールラインまでは戻って、味方のカバーを見ながら自分のマークマンを待ちましょう。
これだけで相手のファストブレークやセカンドブレークをだいぶ防げます。
相手チームのトランジションを遅くするには?
ペイントエリアへのペネトレイトをする
ペイントエリアとは、ゴール近くの台形内のことです。
このエリアまでドライブやパスでペネトレイトすることができれば、確率の高いシュート=距離の近いシュートを狙えます。
相手チームのオフェンスへのトランジションを遅くするには、シュートを決めることが一番効果的です(相手がライン外からパスを出す必要があるため)。
また、短い距離のシュートであれば、ロングリバウンドになりにくく、相手が走り出しにくくなります。
ディフェンスを頑張って、相手に苦しいシュートを打たせよう
オフェンスの終わり方が悪いと、ディフェンスへのトランジションは遅くなりがちです。
また、点が取れない時間が続くと、オフェンスリバウンドを頑張ってなんとか点を入れたいと考えるのも人間の心理です。
つまり、ディフェンスで相手のオフェンスを苦しくさせれば、逆に自分たちのオフェンスへのトランジションに有利に働くということです。
スクリーンアウト(ブロックアウト)をしっかりしよう
オフェンスで速攻を出したいからといって単純に早く走り始める人がいますが、これはリスクが高過ぎます。
チームがリバウンドを取れれば速攻につながりやすいですが、100%出せるわけではありません。
一方でリバウンドを相手に取られた場合、一時的に人数が減ってしまい点を取られやすくなってしまいます。
ですので、まずはスクリーンアウトを意識して、特にペイントエリアでの相手のオフェンスリバウンドを阻止しましょう。
トランジションの練習方法・ドリル
シャトルラン(笛で方向転換)
ゴール下に3~5人並び、逆サイドのゴール下に向かってダッシュを始めます。
そして、笛の音が鳴ったら、元いたリング側に方向転換、また笛がなったら逆サイドのゴール下に方向転換をします。
これを数回程度繰り返し、元いたリング下の線まで戻ったら終了です。
とても負荷の高い練習ですので、プレイヤーたちの体力を見ながら行いましょう。
切り返し後の最初の1、2歩をすばやく出すように意識させると良いです。
速攻3対3
3人のチームを作り、まずはハーフコートでオフェンスを始めます。
シュートが決まればそのチームは逆側のゴールのディフェンスに向かい、ゴール下に一人、サイドラインに待機していた2人の新たな3人組がオフェンスを開始します。
これはトランジションの切り替えの早さや、ピックアップの判断を早くする効果があります。
まとめ
どんなチームやプレイヤーでも、意識次第で高められるのがトランジションの早さです。
コートが他のスポーツに比べて比較的狭いバスケットでは、コンマ何秒の差がシュートの可否に関わります。
マインド的な面が非常に大きいですが、トランジション(コンバージョン)は非常に大切なポイントです。
ぜひ実践していきましょう。